「聞こえ」の秘密、教えます
ご家族の方の聞こえが悪くなったら
日本人の補聴器使用率は13.5%で、イギリス42%、ドイツ34.9%、フランス34.1%、アメリカ30.2%と比較してかなり低い数値となっています。 ※ジャパントラック2015より
目が悪くなったらメガネを使うように、聞こえが悪くなったら補聴器を使うのは自然なことです。補聴器を使わずにいると本人は少し不便に感じるだけと思いがちですが、日常生活全般に様々な悪影響をきたします。
短期的に困ることとして、
◎ 人と話しているときによく聞き返すようになる
◎ 話が聞こえないので会話に参加しなくなる
◎ 病院や役所、お店などで何を言っているか分からない
◎ 急に話しかけられても何を言っているか分からない
◎ いままで聞こえていた家電の音が分からない
◎ 交通機関のアナウンス・注意喚起・クラクションが聞こえない
などがあげられます。
長期的に困ることとして、
◎ 人との会話が面倒になり孤独を好むようになる
◎ 出掛けるのが面倒になり、体を動かさなくなる
◎ 周囲の人から話かけられる回数が減る
◎ 認知症やうつ病、アルツハイマーに対するリスクが増加する
◎ 不安感や疲労感が大きくなり、ストレスの原因となる
などと言われています。
特に懸念されるのが「認知症」関連です。厚生労働省が策定した『認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)』においても、認知症の危険因子のひとつに難聴があげられています。聞こえが悪いことを年齢のせいにして放置すると認知症のリスクを高めてしまう危険があります。予防するには早期の診断と積極的な補聴器の活用で、社会交流、趣味活動など、日常生活における取り組みを大切にする必要があります。
「聞こえが悪くなったかな?」と思ったら耳鼻科や補聴器相談医にて原因を調べてもらってください。単に耳垢が詰まっていたことが原因でしたら安心できますし、中耳炎にかかっていたら治療をしなければなりません。
そして、ご家族の聞こえが悪く補聴器が必要になったら、ご本人に合ったタイプの補聴器を、短時間でも使ってもらえるようにしてください。その際に無理強いすることだけは避けてください。また、ご本人に話しかけるときも「ゆっくり」「はっきり」「区切って」話すことを心がけてください。これだけでも聞き取りやすくなります。
聞こえの悪い方がご家族にいる場合、ご本人の問題だけではなく将来的にはご家族の問題になる可能性があります。補聴器を着けることで人生がより楽しく、そして会話がラクになることを実感させてあげてください。